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2010年 秋季号

グローバル化の進展の中で、日本型統治システムが崩れ、新たなシステムの 構築が模索されています。このような背景から、日本の労働環境である長時間 ・過重労働も改善されず、労働者の疲労とストレスは蓄積されています。 企業にとって、今やメンタルヘルス対策は緊急の問題となっています。 企業として対応策とチェックリストを、ここにご提示いたします。

◇その1/心の病気の種類/どんな病気かの判定/診断書

 @気分障害(うつ病、躁うつ病)/長時間・過重労働、配置転換、昇進
 A不安障害(パニック障害、強迫性障害、PTSD)
 B統合失調症
 C依存症(アルコール、ギャンブル、ネット、仕事)
 D摂食障害(拒食症、過食症)
 E適応障害
 Fパーソナリティ障害
 G発達障害(アルペルガー症候群、ADHD)/採用時・面接・チェック

◇その2/心の不調に気づくポイント/兆候チェック

 ◆日常生活
  ○遅刻・早退・欠勤が増える。特に月曜日や納期〆切日。○服装や身だしなみがだらしなくなる。
 ◆仕事振りの変化
  ○業務の能率が低下する。○仕事はさほど増えていないのに残業・休日出勤が増える。
  ○やたらと頑張る。○配置転換や昇進の時期注意
 ◆体調
  ○寝不足・食欲不振
 ◆態度
  ○会話が少なくなる。○無表情。○おどおど・イライラ。○離席が多い。

◇その3/うつ病のスクリーニングリスト/チェック

 ◆この2週間、毎日(毎晩)のように
 ○@ほとんど一日中ずっと気分が沈んでいた。(抑うつ気分)
 ○A何に対しても興味がわかず、楽しめなかった。(興味と喜びの喪失)
 ○B食欲の増減、または体重の増減(1カ月3キロ以上)が激しかった。
  (食欲・体重増減)
 ○C寝付けないとか、夜中や早朝に目が覚めた。(睡眠障害)
 ○D動作や話し方が遅かったり、いらいらしたり、落ち着かない。
  (運動制止・焦燥感)
 ○E疲れを感じたり、気力がわかなかった。(易疲労・気力減退)
 ○F自分には価値がないとか、申し訳がないと感じていた。
  (自信・自己評価低下・罪悪感)
 ○G仕事や家事に集中したり、決断したりする事が出来なかった。
  (集中力、決断力、思考力減退)
 ○Hこの世から消えてしまいたいと思うことが繰り返しあった。
  (自殺への思い)

*@かAに該当し、さらに該当する項目の合計が5つ以上の場合、うつ病の可能性が高い。

◇管理者として気をつけること。/対応・心得@

 ○部下の心身の健康管理は労務管理の業務の1つです。部下の日常生活、仕仕事振りの変化、
  体調、態度等について、関心を怠らないこと。
 ○自分自身のメンタルヘルスにも留意すること。
  疲労蓄積度自己診断チェックで確認すること。
 ○プライバシーの保護が原則です。しかし、例外として、自傷や他害等があるときは関係者に公表する。
 ○部下の変化に気づいたら、その段階で関係部署と相談する。
 ○ひとりで抱え込まない。上司、健康管理スタッフへ報告と相談する。
 ○中途半端に尻拭いをしないことが必要なこともある。
 ○部下の家族と連携を深めること。

◇うつの人とどう接するか。/対応・心得A

 ・励まさないこと。
 ・追い込まないこと。
 ・心身を休ませることが必要だからうつになっているんだと思うと伝える。
 ・怠けているわけではないと理解していると伝える。
 ・これまで真面目にやってきたことは評価し、今はやすむ時期。
 ・自殺に気をつけ絶えずさりげなく観察する。
 ・周囲がゆったりと落ち着くことが大切です。

◇トラブルを起こす人への対応ポイント/対応・心得B

 ・最近、発達障害等で、トラブルが多発しています。/敵対的・攻撃的
 ・話し合いの場では穏やかにクールに対応する。敵対的な言動や批判的な言動はトラブル拡大です。
 ・客観的事実(遅刻の頻度、無断欠勤、規則違反など)をその都度、確認し理由を聞き、注意する。
  そのやりとりを文書で記録する。
 ・指導や注意をする際は就業規則等の根拠を明示する。
 ・例外を作らないこと。
 ・対応する人が変わっても同じ対応を貫く。
 ・同僚や上司へのケアを怠らないこと。
 ・健康管理と労務管理の問題を分けること。
 ・医師(主治医・産業医)、人事、弁護士等の視点を把握し、バランスを堅持し対応する。

◇会社の対応/対応・心得C/本人・個別/発病後

 ・個別対応が基本です。一般論、世代論で片付けないこと。1人ひとりをよく見る・見守る。
  その人に合った接し方・叱り方・ほめ方を探すこと。
 ・問題のレベルを見極めること。性格のズレ、精神疾患、発達障害等を見極めること。
  深刻な事態では専門家に相談する。
 ・健康管理と労務管理を混同しないこと。毅然とした対応が必要です。
  問題によっては弁護士と相談・対応する。  ・ときには親や保証人を巻き込んで対応する。

◇会社としてのメンタルヘルス対策/対応・心得D/組織全体/未然防止

 ・健康管理スタッフ(担当者・衛生管理者・産業医・カウンセラー等)だけの仕事に収まらない段階
  に入っています。人事労務、採用・教育・研修部門・職制・上司が個別的・部門ごとでは解決できず、
  組織全体で対応しなければならない段階です。
  メンタルヘルス対策という問題意識は組織全体で共有・対応することが重要です。

<そのための対策>/チェック項目

1)職場の現状を分析し、実情を具体的数字で把握することです/全社、部門ごと把握する/マクロからミクロ(個々)で把握すること。

  ○数値データ( 残業時間、定期健康診断、欠勤、傷病休暇、退職者ミス、事故等)を収集する。
   男女・年齢・部署別発生率を収集する。コストに換算し、経営陣を説得する根拠とする。

2)長時間・過重労働の解消に取り組む。

  @ 45H・60H・80Hを超える時間外労働する者の月単位データを把握。
  A連続して、長時間労働が続く者・部署への実情を把握する。
  B面談を行い、健康状態のチェックを確認する。
  C産業医との連携。
  D業務改善の対策を練る。
  Eプロジェクト終了後の休暇取得徹底。

3)この中で、わが社のこの部門の何が問題であるのか、根幹を押さえる。

  この事実をトップが理解し、組織全体で認識する。解決のための優先順位の共有。

4)保険スタッフ(産業医、保険師、カウンセラー等)の確保。外部カウンセラー機関と提携・活用。

5)全社への徹底。階層別研修会を行う。

6)メンタルヘルス問題の担当者(衛生管理者など)を置き、熟練した専門家として育成する。

この担当者を軸にし、一貫して系統的の掌握することで、メンタルヘルス対応が迅速に柔軟に行われる。
職場復帰にあたっても、具体的に的確対応が期待できる。

◇チェックリスト一覧

 1.うつ病のスクリーングリスト/前述
 2.疲労蓄積度自己診断チェックリスト/PDF(5-7ページ)
 3・職場における心理的負荷評価表(表1)/PDF(14-15ページ)
   職場以外の心理的負荷評価表(表2)/PDF(16ページ)