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(労働者からの申請)
申請人(労働者)は、平成11年にパートタイムとして入社して以降、1年間の契約期間を更新しながら勤務を続けていた。ところが、本年3月13日になって、経営不振を理由に、3月末日をもって契約期間満了とする、旨の通知を受けた。申請人は、今までの契約更新の状況からみて、今回についても契約は更新されるものと考えており、先々、定年まで働けることを期待していた。そのため、突然の「雇止め」には納得できない。
(あっせんの内容)
被申請人(会社)に事情を確認したところ、解雇したつもりはなく、あくまで「期間満了による退職」と理解していた。契約を更新しない理由としては、業界全体が厳しい状況にあり、解雇を回避するため、余剰人員の配置転換を行うなどの努力を行ったにもかかわらず、泥沼の経営状態が続いていたこと。そうした経営状況に関しては、従業員に対し充分な説明を行ってきたこと。今回の人員削減にあたっても、高齢者から順に選んだものであり合理性がある、と申し述べた。しかしながら、「雇止めに関する基準」に定められた30日前の予告をしていなかった、という点については責任を認めた。あっせん委員は、今回の事案は「雇止め」に該当すること。しかしながら、被申請人の業界全体が厳しい状況にあり、被申請人が解雇を回避する努力を行ってきたことを勘案し、例え解雇であったとしても解雇権の乱用には当たらない、と判断した。
(結果)
被申請人が申請人に対し和解金を支払うことで合意した。 |